こんにちは、えつみんです。60歳を過ぎ働きながら企業年金を受け取っている方、または65歳前後で国の年金をもらい始めた方に読んでほしい内容です。
サラリーマン時代は、給料から有無を言わさず税金が源泉徴収されていましたので、税金のことはあまり知らないとか、確定申告はめんどうという人は多いと思います。
本日の結論ですが、国の年金も企業年金も公的年金等控除やその他控除があるので、確定申告で税金が戻るケースが多い です。
給料と年金の両方をもらっている人は確定申告が必要か不要か、そして確定申告不要でも確定申告すれば税金が戻ってきますよー、というお話しをします。
1.年金はもらう前に税金が引かれる
国の年金(厚生年金や国民年金)を受け取るときは、年金金額に応じた額が控除された上であらかじめ5.105%が税金として引かれています。
また企業年金やiDeCoを「年金」として受け取るときは、年金金額にかかわらず一律7.6575%が税金として引かれています。この場合は各種所得控除は考慮されていません。
そのため、確定申告すればいろいろな控除が受けられ課税所得金額が下がり、事前に引かれていた税金は戻ることが多いのです。
ツボ1️⃣ 企業年金は公的年金等控除の対象
年金は「公的年金等控除」が受けられます。公的というと国の年金(厚生年金や国民年金)をイメージしがちですが、実は“等”と付いているのは、企業年金やiDeCoなども含まれることを意味します。つまり企業年金やiDeCoも公的年金等控除を受けられます。
2.確定申告が必要か不要か?
給与と年金を両方もらっている人は、確定申告は必要?不要?どちらでしょうか。これがなかなか複雑で難しいのですが、できるだけわかりやすく説明します。
下図が、判定のフローです。
通常は年金をもらう人は確定申告が必要なんですが、次の両方に当てはまる人は確定申告をしなくてもいい「確定申告不要制度」があります。
①公的年金等の収入額の合計が400万円以下であり、その全部が源泉徴収の対象である
➡これはほとんどの人は当てはまるでしょう。
②公的年金等以外の所得金額が20万円以下である
➡「公的年金等以外の所得金額」とは以下が対象で、これらの所得合計が20万円以下なら確定申告不要です。ややこしいですね。
◎給与所得〈パート、アルバイト含む)、個人年金、株式投資による利益、一時所得(満期返戻金等)、不動産(賃貸)など
逆に以下の人は確定申告をしなければなりません。
●会社員で年金をもらいながら給与所得が20万円を超える人(給与収入で言えば75万円)は、②に当てはまらず確定申告が必要となります。
●パートアルバイトで給与所得が20万円以下でも、それ以外の所得があって合計して20万円を超える人は、確定申告が必要となります。
注意)上記の判定基準はすべて所得税に関するものです。住民税には確定申告不要制度はありません。そのため住民税の申告は別途必要となる場合があります。住民税の申告に関しては市区町村の役所にご確認ください。
3.年金の金額によっては確定申告不要に
給与所得が20万円を超えていても、年金の額によっては確定申告不要になるときがあります。それは、
①65歳未満の人は、➡年金収入が60万円以下なら確定申告不要
②65歳以上の人は、➡年金収入が110万円以下なら確定申告不要
なぜなら、公的年金等控除が使えるので年金所得が0円となるためです。
注意としては、上記に当てはまる人は必ず給与の年末調整をしておきましょう。
ツボ2️⃣ 公的年金等控除の金額
公的年金等控除の金額は、年齢や年金額によって変わります。
(1)65歳未満の方は、公的年金等控除は60万円。つまり年金収入が60万円以下なら年金所得は0円となり税金がかかりません。
(2) 65歳以上の方は、公的年金等控除は110万円。つまり年金収入が110万円以下なら年金所得は0円となり税金がかかりません。
4.確定申告不要でも、確定申告しましょう
ここまで確定申告が不要になるケースを見てきましたが、今日の肝はここからです。
会社員の所得税は、給与所得と年金の雑所得その他の所得を合算し、さらに医療費控除やふるさと納税などの各種控除をした上で、最終の所得税額が計算されます。
年金はあらかじめ税金を引かれていますが、上記の各種控除は考慮されていません。つまり本来の納税額よりたくさん払っていることになります。
ということは確定申告をすれば、そこそこ高所得者でない限り、払い過ぎた税金が戻ってくるのです。
申告不要制度は、年金生活者にとっては手間を省けるいい制度のように見えます。でもよく考えると、実は申告すれば税金還付されるのに、申告しなくていいよと言っているのです。払い過ぎた税金は返しません、国がもらっておきます。という国にとって都合がいい制度です。
まとめ
給与と年金を両方もらっている方は、確定申告をして税金を取り戻しましょう。確定申告不要制度に当てはまるからといって申告しないと損をします。まずは国税庁ホームーページから確定申告書等作成コーナーへ行き、源泉徴収票を見ながら給与所得と雑所得(年金)欄に入力をしてみましょう。どのくらい税金が戻るのかわかります。
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