こんにちは、えつみんです。新聞の相談コーナーに次のような家計の相談が載っていました。
相談者は52歳の会社員妻。
「夫(51歳)がうつで退職。今後は働かずに、近くに住む89歳と85歳の両親と障害者の兄のサポートに専念するといいます。私は更年期障害がひどく仕事がつらいです。もしやめた場合に年金出るまで生活できるでしょうか」という相談です。
•妻の月収29万円、支出27万円。他にボーナス60万円
•貯金1200万円、家系の支出は年330万円
ファイナンシャルプランナーさんの回答は、
「今仕事をやめたら貯金は4年で枯渇。当然年金が出るまで持ちません。まずは夫の社会保険給付が出ないか確認しましょう。少しでも毎月の給付金があればやりくりできるようになるはず。妻が体調に合わせて仕事量を減らすことができるかもしれません。」
こんな場合にどうすればいいか、そのツボを考えてみました。
ツボ1️⃣ 社会保険の給付を申請
1)業務が原因で休職したときは、労災保険の休業補償給付が受けられます。退職後でも申請できます →夫の会社に相談
2)業務外の原因で休職したときは、健康保険の傷病手当金等(下図)の給付が受けられます。退職後でも申請できます→夫の会社が加入していた健康保険組合に相談
3)初診日から1年6ヶ月経ち症状が固定していれば、障害年金の給付対象になる可能性があります。→年金事務所に相談。初診日を証明する「受診状況等証明書」など医療機関の証明が必要。申請の手間や認定のハードルが少し高い。
いずれも本人や家族による申請が必要で、認定されるまで手間と時間がかかるのが難点ですが、少しでも収入の足しになればかなり助かります。
ツボ2️⃣ 会社をやめるのは最後の手段
夫も妻も仕事をして定期収入があれば、生活はなんとかなります。それが途切れてしまうと途端に苦しくなります。辛いことがあっても、やめる決断はできるだけ先送りし、最後の手段としておきましょう。
まずは、会社の制度を調べて最大限活用することから。
① 休暇・休職制度
病気休暇や、介護休暇・介護休業制度(下図)を利用する。給料は出なかったり下がったりしますが、復職できる道筋をつけておくことが大事。
②社会保険給付
ツボ1でお話しした休業補償や傷病手当をもらう。できるだけ在職中に申請しましょう。
③副業
副業を認める会社も増えていますので、会社で働きながら、別の収入の手立てを検討しましょう。
④転職
どうしても会社にいられない事情があるときは、転職を試みる。注意点は次の会社が決まるまでは、絶対今の会社をやめないことです。休日や有給休暇を使って活動しましょう。
★退職勧奨があったときは?
長期休職していると、会社側から退職を打診されることがあります。この退職勧奨はあくまで退職のすすめだけです。労働者に退職する意思がなければ、これを受け入れる必要はありません。早まって、退職しますと言わないようににしましょう。
ツボ3️⃣ 親の介護問題は地域包括支援センターへ
親の介護に悩む人が増えています。介護の負担が増え、介護疲れの人が増えています。そんな時に会社をやめてしまうと、一気に自分の家計が回らなくなります。親より先に子供世帯が先に倒れることは防がなければなりません。
そんなときは、お住まいの近所にある『地域包括支援センター』へ相談に行きましょう。親が遠方にいても相談に乗ってくれます。介護保険や施設のことなど、いろいろ知らないことを教えてくれます。
早めに介護認定を受けて、国の介護保険を使うことが、自分たちの負担を減らす=介護疲れを無くす手段です。せっかく介護保険料を払っているのですから、国の制度を活用しない手はありません。
まとめ
年をとるにつれ、どうしても体調の不安を抱える人は多くなりますよね。それに加えて介護問題が降ってきます。でも会社をやめるのは最後の手段。できるだけ会社にしがみつきましょう。働いていれば定期収入が入りますし、さまざまな社会保障もあります。
社会保険でわからないことは、会社の担当者や社会保険労務士へ相談しましょう。介護でわからないことは、地域包括支援センターへ相談しましょう。いくら制度があっても申請しないと貰えませんので、ぜひ調べて動きましょう。
(参考)過去の記事)
↓