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税収増の国民への還元について考える

こんにちは、えつみんです。税収増を国民に還元するという、岸田首相のバラマキ政策? 選挙対策?が世間を騒がせています。

一人当たり所得税3万円、住民税1万円を1年間減税し、非課税世帯には7万円を給付。さらに、扶養家族にも一人当たり4万円を給付するという内容です。

もらえればありがたいですが、期限付きの減税・給付金は消費より貯蓄に回り、経済対策にはならないと思います。

 

首相は、「今こそ、この成長の成果である税収増などを国民に適切に還元する」と言っていますが、税収増は物価高が要因ですので、成長の成果ではないですよー。

今回の所得減税と給付金の総額は5.4兆円とも言われます。所得減税の原資は、この2年間の税収増分3.4兆円を充てるらしいですが、税収が増えたのは物価上昇によるものなので、その分歳出額も増えて財政収支は変わらないはず。原資にはならないのでは。

 

★私は、もし還元できる原資があるなら、一律ではなく本当に困っている低所得者や子育て世代へ重点に配分すべきだと思います。

なぜすぐに実施できない所得税•住民税からの減税か? 給付の方が早く実施できるはずでは? 

そもそも、単発の所得税減税の効果は小さく、消費税減税の方が、経済効果が高く物価高の痛みを和らげることができるのでは?

など、いくつかの疑問符がつきます。

 

さてこの機会に、我が国の税金について調べてみました。

 

1.税収金額は?

まずは税収はどのくらいあるのでしょうか。

2022年度の税収は71.1兆円です。前年より4.1兆円増え過去最高となりました。その内訳ベスト3は、

①消費税 23.1兆円 (+1.2兆円増、前年比5%up)

②所得税 22.5兆円 (+1.1兆円増 前年比5%up)

③法人税 14.9兆円 (+1.3兆円増 前年比10%up)

いずれも3年連続で増加。はじめて消費税が所得税を抜きました。

実は、110兆円を超える歳出のうち税収でまかなえるのは約6割で、他は巨額の国債に頼っているという構図です。国債残高は年々増え、22年度末で1000兆円を超えました。

 

★私たちの家計において支出が収入を上回るなら、支出を抑えようとします。しかし国の予算は支出ありきで、その不足分を補うために、増税と借金で賄なおうとします。とても身の丈に合った財政ではありませんよね。

 

 

2.税金の使い道は?

税、特に国税は本来、景気の調整や格差の是正のために設けられているもので、政府の事業の財源(お財布)ではありません。税金の使い道は国会で決めるべきものです。下記は令和5年度の税金の使い道の内訳です。

 

<税金の使い道(令和5年度当初予算) 国税庁HPより>

★税金は私たちの生活を守るための、公共サービスや公共事業に使われます。特に生活弱者でも最低限の生活ができるように設計されています。一方で万博やカジノや武器購入などにも使われます。本当にその使い道が正しいのかよくチェックしましょう。

 

 

3.消費税とは何か?

消費税は社会保障の財源とかよく言われますが、それは誤りです。消費税は一般財源。もし社会保障のための財源なら、特別会計としてプールしておく必要がありますが、それは存在しません。

さらに消費税は、消費者が納める間接税と思われる方が多いですが、これも誤りで、事業者が納める直接税、いわば第2法人税です。消費者が納めた税金がそのまま国に入るわけではありません。

 

★政府は、今後も消費税増税を規定路線にしていますが、それによって消費を落ち込ませて、経済に打撃を与え、ますます日本を衰退させることに気づいていないのでしょうか。気づいていて、あえてそうしている??

今こそ消費税減税をするタイミングだと思います。

 

 

まとめ

今回打ち出された税収増の還元ですが、庶民の暮らし対策として、日本の経済対策として、あまり効果があると思えません。政権支持率浮揚のための、近視眼的な対策でしょうか。30年後とは言いません、せめて10年先の日本をこうしたいという政治家が現れてほしいです。

 

 

(過去の記事)

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