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システム選定のノウハウは? 中小企業SEとして実際の体験談をお話しします

こんにちは、えつみんです。

我が社では、すでに始まっている電帳法(電子帳簿保存法)と、2023年10月から始まるインボイス制度に対応するため、請求書受領・発行のシステム導入を検討しています。

 

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インボイス制度の概要(国税庁HPより)

 

昨年12月、社長の了解をもらって検討を始めました。先日、約3ヶ月の検討を経て、あるクラウドシステムの導入が決定し、これから本運用に向けた準備が始まります。

今回は、私の経験から、特に中小企業のシステム選定プロセスで気をつけたい点、特にシステム部門はどう動くべきかについて、ノウハウをお話しします。

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ツボ1️⃣ 業務が詳しい人を巻き込む

請求書の受領では購買、請求者の発行では営業、そして、両方関係するのが経理部門です。その部門で業務に精通している人に、システム導入検討へ参加してもらうことで、検討はスムーズに進み、手戻りも少なくなります。

推進体制のポイントは三つ!

①実務のキーパーソンに声をかける

実務に詳しくない責任者、ではなく、実務をよく知っており、課題意識が高い担当者がベスト。もちろん初めに上司の了解をもらいましょう。

②人数は最小限で

あまり人数が多いと、時間ばかりかかってまとまりません。関係部署ごとに一人で十分。その人がわからないことは、その人から部内の人に聞いてもらいます。

③リーダシップは業務部門で

今回は経理部次長に推進リーダーになってもらいました。システム部門はあくまで黒子。ただし要件や資料まとめは、私のシステム部門がメインで行いました。

 

ツボ2️⃣  はじめに要件をまとめる

最初に、システム化の目的とやりたいことの要件をまとめておくことが、非常な大事な作業です。この要件整理がないまま、システム調査に入ると、システム会社に聞きたいことがぼやけ、システム決定まで時間がかかります。

要件としてまとめるべき内容は三つ!

①システム化の目的

システム導入によって何を実現したいのか、その目的を最初に設定します。例えば今回は、電帳法とインボイス制度という法改正への対応が、一つの目的ですが、それだけではなく、請求書送付の電子化による郵送費削減と業務負荷軽減。経費精算業務の効率化とペーパレス化を主の目的としました。

②システム化の範囲

システム化したい業務範囲と、必要な機能を洗い出しします。今回は、請求書の送付、請求書の受領と電子保管がメインですが、それ以外に、経費精算や稟議書のワークフローなど、同時に実施したいことを含めました。

③業務フローの洗い出しと効果の算出

例えば、請求書の受領〜精算の業務の流れと、取引先会社数や月あたりの請求書件数などの数量を把握します。そしてシステム化によってどの業務項目が減るのか、どのくらいペーパレスになるのかなど、できるだけ効果を数字化します。

これらの情報があれば、システム会社との打ち合わせがとてもスムーズに進みます。

 

ツボ3️⃣  数社を比較する

必ず複数のシステムを比較します。そのメリットは、自社要件に対し、長所・短所がわかること。そしてここが重要ですが、相見積もりをすることで費用をかなり下げることができます。経験上3〜4社の比較がベスト。それ以上になると、まとめるのが大変、かつ記憶が曖昧になって頭の中が混乱します。

比較選定の5つのステップ!

①市販システムの調査

今はネットでオススメのシステムや評判がすぐにでてきます。その中から自社に合う、良さそうなもの3〜4システムをピックアップし、説明を依頼します。

②比較表作り

各システムの要件や機能ごとの違いがわかる比較表を作り、そこに情報を埋めていきます。各社2、3回Web会議を実施し、不明点はメールで確認。◯、△、×の記号を付けるとわかりやすいです。機能以外には、初期費用とランニング費用も比較します。

③経営者へのプレゼン

担当メンバーで最終候補2社に絞り、経営者向けのプレゼンを依頼します。この段階にくると、当初見積もりから値引きをしていただける会社が大半です。

④最終検討会

比較表から、選定の重点切り口を7〜8個に絞った一覧表を作り、役員や社長交えて最終検討会を開催し、システムを決定します。

⑤採用会社へ通知し発注

採用決定会社へ連絡するだけでなく、不採用の会社にも、電話とメールで不採用の理由を伝えてお断りをすることが大事だと思います。今後どんな縁でつながるかもしれません。これまで、時間を割いて対応いただいたことに感謝しましょう。

 

まとめ

中小企業でのシステム選定の手順やポイントをまとめましたが、一番大事なのは、経営層と業務キーパーソンを巻き込むこと。決してシステム担当者だけで進めないことです。二番目に大事なのは、数社を比較し相見積もりを取ることです。最初から1社に絞ってしまうと、値引きは引き出せません。

皆様の会社でも、ご参考になれば幸いです。

 

 

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