こんにちは、えつみんです。
今回は保険について考えてみます。日本人は投資より保険が大好きな国民と言われています。皆さんは、保険には入るべきか、入る必要はないと思うかどちら派ですか?
•何かあったら怖いので入っておく。何もなければそれでよし。安心をお金で買うのだ。→こういう人は多いのでは。
•そりゃ、家族構成や年齢、収入によって変わるよー。→その通りですね。
•子供が独立するまで生命保険は必須だけど、独立したら不要。→なるほどです。
•DINKS(子供を持たない共働きの夫婦のこと)だから保険はいらない。それより貯蓄。→なるほど、貯蓄派ですね。
保険といっても、生命保険、医療保険、火災保険、貯蓄性の高い保険など、種類や選択肢が多すぎて、今の自分にとって何が最適かわかりにくいものです。
子供が就職したときや、私のようにサラリーマンで定年退職された方は、保険を見直す時期です。さて、どう見直したらいいのかそのツボをまとめます。
1.保険にいくら使っている?
まず、皆さんのご家庭では毎年保険にいくら使っているでしょうか。
●1世帯あたりの生命保険料は? ⇨ 平均で年間37.1万円
(生命保険文化センター、2021年度調査)
平均でこの額ですから、もっと多い方もいらっしゃいます。毎月3万円の支出は、家計にとってはバカにできない金額ですよねー。
2.そもそも保険とは何?
保険は、万一自分や家族の身に何かトラブルが起きたときに、その損失をカバーするために入るものです。生命保険しかり、火災保険しかり、自動車保険しかりです。
生命保険の前身は、中世イタリアの海上保険と言われています。海上交易で船を出せば何倍も利益がでましたが、途中事故で船が沈没すれば大損失。そこで皆でお金を出し合い、万一事故が起きたときは、そのお金で損失をカバーしていました。
つまり、自分で自分を助けるのではなく、皆が少しづつお金を出し合って、損害を出した人を皆で助ける「相互扶助」が保険の本質です。ここが貯金と保険の大きな違いです。
3.どんなときに保険に入るべき?
単に不安だから入っておくとか、儲けるために入るというのは間違いです!
保険が必要となる条件は、
〇トラブルが発生する「確率=小」かつ「損失=大」のケースに備えるもの。と覚えましょう。
例えば、家計を支えている人が若くして亡くなれば、家族の生活や子供の養育に大きな影響が出ます。これに備えるために生命保険に入ります。しかしその後子供が独立すれば、その損失は小さくなりますので、生命保険の必要性は減ります。
また、自動車で人身事故を起こした場合や、火災で自宅が焼失した場合なども、これにあたります。
△「確率=大〜小」かつ「損失=小」というケースには、保険ではなく貯金で備えのがベター。ただ、確率が大きいと思われる事象に対して個別の保険に入るのはありです。
例えば、がん保険について。若くしてがんになる確率は低く、治療費は高額療養費制度を使えば、自己負担額は8万円で済みます。(注:保険外治療、差額ベッド代、食費の一部は健康保険の対象外なので全額自己負担)
下記グラフの通り、高齢になればがんになる確率は増えますが、その分掛け金(保険料)がどんどん上がります。がんに対しては貯蓄で備えるのが合理的と思います。
ただし、発生確率が高いケースでは、個別の保険を考えてもいいでしょう。
①がん家系の人ががんに備える(がん保険)
②高齢の親のケガ入院に備える(傷害保険)
いずれにしても、掛け金と補償額が割に合うかをよく検討して、保険会社の説明を鵜呑みにせず自分で決定しましょう。掛け金は高齢になるほど高くなります。
✖️「確率=大」かつ「損失=大」というケースはどうでしょうか。そもそもそんな場面には近寄ってはいけません。
例えば、噴火が起きている火口に近寄るとか、紛争地へ行くとか。それでも保険で備えたいときは、保険金が出ないケースをしっかり確認しましょう。多額の保険料を払ったのに保険金が出なければ、意味がありません。そもそも発生確率が高い案件に対しては、保険は成り立ちません。
ツボ1️⃣ 生命保険の見直し時期
一つは子供が独立したとき。子供が生まれてずっと生命保険をかけている人も、子供が就職したタイミングで、生命保険の保障額を減らすか、保険をやめるなど見直しをしましょう。「子供が独立したら貯めどき到来」です。
もう一つは定年退職して退職一時金が入ってきたとき。住宅ローンがあれば一括返済し、生命保険は減らすかやめるかして、月々の支払いを減らしましょう。そして、貯蓄の中から安全資産を除いた余力分をNISAなどに投資をしたいものです。
ツボ2️⃣ 掛け捨て保険もアリ
生命・医療保険はさまざまな特約がセットになっています。保険会社によってセットの内容が微妙に異なるので、複数の保険を比較するのはなかなか難しいです。
今まで加入してきた保険の見直し時には、死亡保障はどこまで減らし、医療保障はどこまで必要か検討します。例えば病気の入通院とケガの入通院の日額、何日分出るか、個人賠償責任の額など、必要条件を挙げて保険を比べましょう。
一般の生命保険は定期・終身保険が多いですが、共済保険や単独の傷害保険(損害保険会社)は一年更新の掛け捨て保険。掛け捨ては掛け金が安く毎年見直せるので、その選択肢はアリです。
<私の例>
私は子供が就職したとき、一般の生命保険は払い済みにしました。会社で入っていた掛け捨ての生命・医療保険は、死亡保障を減らし、病気入通院はそのままにしています。またケガの入通院に備えた掛け捨ての傷害保険に、夫婦と子供、実家の母が入っています。その理由は、実家の母は高齢でケガをすると長引くためです。実際、昨年母が自宅で股関節を骨折し4か月入院しましたが、傷害保険金が出てかなり助かりました。でもそろそろ(65歳までに)、保険の終了を検討しています。
まとめ
保険に入るべき条件や、見直しのタイミングについてお話をしました。リスクの発生確率=小、そのときの損失=大、の事象に対して保険は大きな力となります。この確率と損失は、年齢や家族構成によっても変わりますので、子供の独立や自分の退職をきっかけに保険は見直しましょう。貯蓄がそれなりにある場合は、損失=小のケースでは保険の必要性は少ないでしょう。
次回は、公的保険についてお話ししたいと思います。民間保険を考える前に知っておくべき情報をお伝えしますので、併せて読んでいただければ幸いです。