サラリーマン雑学@えつみん

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日本人は「やめる練習」がたりてない を読んで

こんにちは、えつみんです。

先日読んだ衝撃的な本でした。野本響子さんの『日本人は「やめる練習」がたりてない』です。

著者の野本さんは、大手企業から中小企業の勤めを経て、マレーシアに生活拠点を移し子供を現地のインターナショナルスクールに入れ、子育てをしている方です。

その体験から、日本の常識があたりまえでないこと、日本人はやめるのに慣れていない、一旦始めたら、しんどくても我慢してしまうと気づきます。

 

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日本を一歩外へ出て、その国の教育方法や文化を知ると、逆に日本のことがよく見えてきます。どちらが正しい、正しくないということではなく、ああ、こんなやり方や考え方もあるのか! そして、自分はどちらに共感できるのか、本当の幸せは何かということを考えさせられました。

これから子育てをされる方や、これから社会人になる方、同じ会社にずっといて悩んでいる方にも、オススメします。すらすらと楽しく読めますよ。

 

では、こんなに違いがあるのか!という私の目からウロコの話をご紹介します。

 

1.なんでも褒める先生!

現地のインターナショナルスクールに6歳で入った長男さんは、日本では登校拒否だったのに、みるみる元気になったそうです。先生は、その子の長所を一生懸命に探して褒める。授業中に歌を歌っても褒めてくれる。わからない英単語をかたっぱしから質問するので、授業妨害ではと先生に聞くと、「いいことです。他にも簡単な英単語がわからない子供がいるかもしれないでしょう、だからいいんです」と言ってくれる。

 

2.小学校をバンバン転校する子ども

複数言語、複数宗教のマレーシアなので、どの言語や宗教を学ばせるかで学校を選択します。でも学校の方針が合わなければ、簡単にやめて転校する。近所に新しい学校ができると、父母の間で「今度できた学校面白そうだから見に行かない?」と誘い合う。学校を変わることに、実に抵抗がないのだとか。

長男さんも、あるとき学校が楽しくなくなったので、次はプログラミングをやってみたいと言い出して、転校したそうです。

 

3.子供にとっては選択の連続

●スポーツ大会、遠足、ボランティアなどのイベントには、毎回出るか出ないか聞かれる。参加は強制ではなく自分で決める。

●タレントコンテスト。自分のやりたいことを舞台で表現するコンテスト。歌や踊り、料理、絵、手品等なんでもあり。エントリーするかしないか、一人でやるか友達とやるかも、自分で決めて自分で準備して、失敗してもその結果を引き受ける。

●クラブ活動は、たくさんのリストから2〜3種類を自分で選ぶ。スポーツから芸術、ゲーム、創作など実に多くの体験ができる。中には、一週間に10種類ものクラブ活動を体験させる学校もあり。毎年同じクラブを続けることは推奨されていない! 

一律な価値観や協調性を押し付けるのではなく、個性を大事にし、自分で考えられる人を育てる教育だと思いました。

 

4.大人もハッピーじゃなければ居場所を変える

大人も会社を気軽に辞める。その理由を聞くと、「忙しすぎてて、家族との時間が取れないから」「ハッピーじゃないから」と軽い。マレーシアでは、中途採用は不利ではなく、上下関係もあまり厳しくない。サラリーマンの価値はたいして高くないし、ダブルワークをしている人も多いそうです。

皆、小さいころからの教育のおかげで、小さなトライ&エラーを繰り返すのに抵抗がない。やめることができる社会は、始めることも気軽!

 

5.ゆるい国で身につく「ざっくり働く」力

マレーシア人はびっくりするほど「怒らない」。見知らぬ人にとても親切。この国で、「思いやり」とは丁寧なことではなく、相手の時間を奪わないこと。なので、メールは短文でシンプル、マニュアルや書類のページは薄い。日本人から見たらゆるく見えてしまいますが、安心して失敗ができる社会です

こういう思いやりとか失敗への寛容性は、かつての日本にはあった気がします。現在の日本は、商品、サービスに完璧を求めすぎ、ちょっとしたことで怒りをぶつける人が増えているような気がします。

 

最後に、

野本さんの長男さんが転校するとき、インド人の先生からもらったメッセージ。

『どうぞ忘れないで。

ただあなたらしくいてね。人々にありのままのあなたを見せてね。

不完全で、欠点があって、変わっていて、美しい、そしてマジカルなあなたを。

あなたには代わりはいないのです。

そのまま、いつもハッピーにしていてね。』

 

まとめ

最初、この本のタイトルを見たとき、単なるノウハウ本かと思いましたが、まったく違いました。私たちは今の生活があたりまえと思って、日々過ごしています。しかし世界には、違う生活や考え方もありますよと気づかせてくれました。多様性を受け入れるためのコツと、自分の人生をハッピーに過ごすためのヒントが、この本には詰まっています。