こんにちは、えつみんです。
退職金など、まとまったお金がはいったとき、老後のことを考えるともう少し資産を増やしたいと考えます。そんなとき、リスクが大きい一つの商品に、一度に資金を突っ込むのは最握手です。
やはり大事なのは分散投資。投資タイミングを分割する時間分散と、投資先を分ける商品分散の両方によって、少しずつ増やしていくのがセオリーです。今回は、商品分散についてお話します。少し長いですが、皆様の投資のご参考になれば幸いです。
1.商品分散とは何か
商品分散とは、『リスクが異なるさまざまな金融商品に分散投資する』ことです。要は「卵を1つのカゴに盛るな」ということですね。カゴが落ちたら卵が全部割れてしまいます。
投資の世界でリスクとは、値動き(リターン)の上下動、バラツキのことです。バラツキが大きいことを「リスクが大きい」、バラツキが小さいことを「リスクが小さい」といいます。一般的な危険度の意味とは違います。
金融商品には、株式、債券、投資信託、金地金、などさまざまあります。その中から、どこにどれだけ投資するのがいいのか、誰もが迷いますよね。私も投資を始めたころは、さっぱりわかりませんでした。
それでは、まず金融商品の種類を、リスク=バラツキの小さいほうから並べてみます。
小・預貯金
小・日本債券(国債)
中・投資信託(インデックス型<アクティブ型)
中・リート
中・外国債券
大・日本株式
大・外国株式
その他、FX、暗号化資産、外貨、金地金、不動産投資などもありますが、それぞれリスクが大きすぎる、もしくは運用が難しいためここでは除外します。
また、例えば同じ商品区分でも、その銘柄によってリスクの大小があり、一概にこの順番通りにはならないこともあります。
ツボ1️⃣ 商品分散の戦略
商品分散するときの考え方として、下記3つの戦略が重要だと思います。
①リスク大中小の商品を、組み合わせて持つ
②資産が少ないときは、リスクの大きい商品で運用
③資産が多くなれば、徐々にリスクの小さい商品へ移行する
リスクが違う複数の商品を持っておけば、ある商品の値が急に下がっても、全体の影響が少なくなります。さらに時間分散も組み合わせることで、資産が中長期で安定して増えていきます。(これをドルコスト平均法といいます)
もちろん、年齢、職業、運用に回せる資産、期間と目標(何年でどのくらい増やしたいか)、投資への姿勢、などによって最適解は変わります。
2.インカムゲインに着目
前記の各商品の中には、さまざまな銘柄が存在します。そのなかから、何を選べばいいのか考察してみます。中長期で保有しながらすこしずつ資産を増やしたいので、インカムゲインに着目します。
ツボ2️⃣ キャピタルゲインかインカムゲインか
商品の値上がり時に、売却することによって得られる利益を「キャピタルゲイン」といいます。また株の配当金や債権の利子など、商品を持っていれば得られる利益を「インカムゲイン」と呼びます。皆さんはどちらを狙いますか。
キャピタルゲインは、当たれば資産が何倍に増えることもありますが、逆に値下がりによる損失リスクもあります。要するに売るタイミングによって大きく変わります。
一方インカムゲインは、株や債券を持ち続けている限り、定期的に利益を得ることができます。
中長期の投資では、確実に資産を増やしていきたいので、インカムゲインに着目した銘柄選びが適しています。だいたい年3%〜5%くらいの利回りが目標になります。
ツボ3⃣ インカムゲイン重視の銘柄選び
それでは、どんな銘柄を選んだらいいでしょうか。次の3つの視点をご提案します。
①株式の配当利回りが高い&株主優待が使える銘柄
株の配当を調べるときは、1株あたりの配当金の額ではなく、配当利回りをチェックしましょう。なぜならば、同じ1株10円の配当金でも、株価が1000円のときは利回り1%ですが、株価が200円ならば利回り5%になるからです。配当利回りは3%以上の銘柄を選びましょう。
また、株主優待も配当と同じくインカムゲインです。生活で使える優待があれば狙い目です。中にはクオカードのように現金に変えられるものもあります。
※注:配当利回りは変動します。株価が急に下がると配当利回りが高くなりますので、そこは要注意です。業績や毎年安定して配当を出しているかを見ましょう。
②成長株より、安定した内需株を
成長株は、既に株価が高くなりすぎていたり、上下変動が激しいケースが多いので、運用の主力からは除きます。内需株とは、国内需要がメインで、輸出入の影響が少ない企業です。この内需株の中でも、インフラとか生活必需品などの景気に左右されにくい企業、かつ配当利回りが高い企業を選定しましょう。
③リートの分配金を狙う
リートとは不動産投資の投資信託のことです。分配金が年1、2回入り、その利回りは年3%以上の銘柄が多いです。売買は株式と同じでいつでもできますし、株に比べ、値動きは安定しています。銘柄選びでは、オフィスビル、ホテル、リゾート地という特定不動産だけに投資する特化型もありますが、複数の不動産に投資する複合型の方がリスクを小さくすることができます。
3.商品分散の例(ポートフォリオ)
具体的にどの商品にどのくらい振り分けるのがいいか、一例を挙げます。比率はあくまで参考です。どのくらいリスクを許容するかによって、変わります。
①預貯金(or国債):30%
※国債は今は利回りが最低なので、今後金利が上昇したときに組み込む
②インデックス投資信託:30%
※米国S&P500や世界株式、世界債券などのインデックス投信へ積立投資
③リート:20%
※日本の複合型リートで利回り3%以上を狙う
④日本株(内需株、高配当株):10%
※配当利回り3%以上で、一口あたりの取得額が低い銘柄が買いやすい
⑤米国株(内需株):5%
※米国は人口も増加し内需企業はまだ伸びる。名前を知っている企業を選ぶ
⑥外国債券(新興国)or日本株(成長株):5%
※リスク資産として、あえて少し持つ。新興国債券は高利回り
まとめ
今回、商品分散の考え方と、銘柄選びについてお話しました。複数商品を持つことが基本ですが、若い方で投資資金が少ないときは、リスクが大きい商品を中心に投資経験を積み、資産が増えてきたら、徐々にリスクが低い商品に移行するのがいいと思います。
時間分散のためにインデックス投信で積立投資をしつつ、株や債券やリートはインカムゲインを求めて運用する。というのが今回のまとめです。
事例はあくまで私の考えですので、実際に投資するときは、自己責任でお願いします。
(過去の記事)