日本の経済は失われた30年といいますが、なぜ海外や米国と比べて、これほど差がついてしまったのでしょうか。日本の米国の市場データから読み解いてみたいと思います。
1)ダウ平均株価と日経平均株価の過去40年の推移
<出典>世界経済のネタ帳より
米国が1980年以降、順調に株価を上げているのに対し、日本は1990年前後のバブル後は、ずっと低迷していることがわかります。
この表は、30年前と今の日米の株価を比較したものです。この間、米国は11.6倍に伸びたのに対し日本は1.2倍止まり。年率換算すると、米国は8.8%成長に対して日本は2.6%と低成長です。
また、家計の金融資産は2000年と2020年の比較ですが、米国が2.8倍に増えたのに対し、日本は1.4倍と大きく差がついてしまいました。この要因はどこにあるのでしょうか。
①人口ピラミッドの違い
米国は移民を積極的に受け入れて人口が増えており、2100年まで徐々に拡大する予測ですので、経済成長の土壌が豊かです。一方で、日本は2010年ごろをピークに人口減少フェーズに入り、さらに高齢化社会が進んでいます。
②市場の魅力度の違い
ダウ平均に採用されている会社は30社ですが、いずれも世界を代表するようなグローバル企業が多くエリート集団です。しかも定期的に好調な企業が入るよう銘柄を入れ替えています。一方日経平均の225社は日本のみで事業を展開している会社が多く、市場の伸びも期待できない分、世界の投資家の目には魅力がないと写っています。
③投資の考え方の違い
米国人は、預貯金(資産の13.7%)よりも投資の比率(資産の50.8%)が多く、お金を増やし、レジャーや買い物などの楽しみに使うことに価値観を置きます。一方で日本人は、投資(14.4%)より預貯金(54%)の比率が多い。これは給与や年金などに対する将来の不安が大きく、安全に蓄えておくことに価値観を置いているからだと思います。
ツボ1️⃣ 成長市場で資産を増やしましょう
米国の株価は高すぎる、いずれ大きく下落するのではという心配はあります。過去最大の危機1929年の大恐慌のときは、株価は9割下落し回復まで25年かかりました。しかしその時から毎月同額を株式に投資していれば、20年間で年率7.8%の利回りが、債券でも3.5%の利回りがありました。やはり目を向けたいのは、成長市場である米国株式や先進国株式です。
(まとめ)
日本市場は知っている会社が多く、日常の生活感とリンクしていて分かりやすいのですが、これから先20年、30年の資産形成を考えたときは、米国や先進国の伸びる市場に投資をしたいです。どの市場でも短期的には上昇、下降局面はありますが、毎月長期に積み立てることにより(ドルコスト平均法)、確実に資産が増えていきます。
また積み立て投資は、ほったらかしにしておいても、自然と資産が積み上がりますので、経済の動向に一喜一憂したくない方には向いています。
もう少し、リスクを取りたい方や、自分で会社を選びその会社を応援したいという方は、積み立て投資と並行して、NISAなどで株式銘柄への投資をしてもいいでしょう。
以上は私個人の考えですので、皆様はあくまで自己責任において投資をしてくださいね。