こんにちは、えつみんです。
久坂部 羊(くさかべ よう)さんの書いた「寿命が尽きる2年前」という本を読みました。還暦を過ぎた私にとっては、なるほど!と思う内容が多かったです。
著者の久坂部さんは医師67歳。ご自身の医療の体験から「死にどき」に関する本をいくつか出されています。
この本には、寿命とは何か、どうすれば平均寿命や健康寿命を延ばせるのか、現代医療の矛盾、望ましい最期のお手本、そして寿命が尽きる2年前にすべきこと、などが書かれています。
その中から、考えさせられた内容をご紹介します。
1.平均寿命と平均余命の違い
平均寿命とは、0歳の人の平均余命。つまり生まれたばかりの赤ちゃんが何年生存するかを予測した値。各年代の生存率から計算できるそうです。
自分があと何年生きられるか知りたいなら、自分の年の「平均余命」を見ればわかります。
例えば、2020年時点で「平均寿命」は男性81.6歳、女性87.7歳ですが、平均余命は、65歳男性では20.05歳。つまり85.05歳まで生きるということになります。平均寿命よりだいぶ長生きするのです。
2.健康寿命とは何か
最近言われ出した「健康寿命」。医療や介護に依存せず自立して暮らせる期間をそう呼んでいます。男性は72.6歳、女性は75.3歳(2019年)だそうです。
その健康寿命はどうやって出しているかというと、厚労省が3年ごとに行う「国民生活基礎調査」で、
①「あなたは現在健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか?」という問いに、ないと答えた人を健康とする主指標
②「あなたの現在の健康状態はいかがですか?」という問いに、よい、まあよい、ふつう、と答えた人を健康、あまりよくない、よくない、と答えた人を不健康とする副指標
をもとに算出しているそうです。
ということは、花粉症でも不健康と判断する人もいるので、かなり主観的で、曖昧なんですね。
3.寿命が尽きる2年前
久坂部さんは、悔いのない人生を送るために、今が寿命が尽きる2年前と考えたらどうでしょうか。というご提案をしています。
今は元気でも2年後どうなっているかわかりません。自分があと何年生きられるか誰にもわかりません。
だからこそこれからの2年の間に、やりたかったことをやる、行きたいところへ行く、会いたい人に会う、美味しいものを食べに行く、趣味を極めるなど、いろいろやるべきことが見えてきます。
2年経ってまだ生きていればラッキー、さらにこの2年で何をしたいか考えることができます。
4.してはいけないこと
寿命があと2年で尽きるとしたら、してはいけないことに医療に近づかないことを挙げています。
ちょっとした不調や体の不具合がでたとき、うっかり病院へ行くと、あれこれ検査され異常を見つけられ、医療アリ地獄から抜け出せなくなります。精神衛生上もよろしくないですね。
また、症状もないのに、健康診断、がん検診、人間ドックへ行くことも避けましょう。アンチエイジングやサプリメントも不要。健康番組を見る必要もなし。とのこと。
確かに、ちまたの医療情報をうのみにしてしまうと、恐れや苦悩が増えそうです。
5.したほうがいいこと
例えば癌で余命あと半年と言われたら、悲嘆に暮れるか、苦しい抗がん剤治療を受けるか、お世話になった人にお礼にいくか、など選択肢は限られます。半年はあまりに短いのです。
しかし、まだ2年あると言われたらやってみようと思えることが多くあるのでは。
具体的には、これまでしたかったけれどできなかったこと、我慢してきたことを試すのがいいでしょうとのこと。例えば、
豪華海外旅行、世界遺産を巡る、高級リゾートでぼーっとくつろぐ、お遍路さんで霊場を巡る、写真旅行に出る、音楽会を開く、小説を自費出版する、家族と思い出の地を訪ねる・・・など。
とにかく、生きていることに感謝し満足することに時間を費やしましょう。
高齢者あるいはそれに近づいている人に、
『いつまでも元気で長生きよりも、もっと大切なことがあるはずです。それは、人生最後の2年を、自分で納得できることに費やすのとです。死から目を背けていたら、直前になって慌てたり、嘆いたり、うろたえたりすることになります。たった一度の人生を終えるのに、それではあまりにも勿体無い。』
まとめ
久坂部さんは、医師として色々な死に遭遇した経験から、あまりに医療を盲信しすぎるのはよくないと警鐘を鳴らしています。寿命はあと二年と考えて、良い人生を送ろうとすることは、理にかなっている気がします。
ここに書いた内容は、本のエキスのほんの一部ですので、興味のある方はぜひ通読してみてください。あなたの人生の向き合い方が変わると思いますので。
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